制御性の良いロボットにするために
ロボットに慣性が働くので完全にプログラムの指令通りにロボットを動かす事はできないのですが、ある程度慣性の影響を小さくして思い通りに動かしやすい(制御性が高い)ロボットに仕上げる工夫はできます。
以下に気を使ってロボットを設計すると制御性の良いロボットに仕上がります。
〇高いギヤ比
〇摩擦ロスの低減
〇剛性
〇視野の広いセンサ
高いギヤ比
プログラムでロボットを停止させると電磁ブレーキが掛かります。
電磁ブレーキの効果はギヤ比の2乗に比例するので48:1を120:1に変更する事で6倍制動力が向上します。
摩擦ロスの低減
ベアリングを使用することで摩擦を極力少なくします。
剛性
ホイールを両支持構造にして駆動部の剛性をアップします。
視野の広いセンサ
ホワイトラインセンサは付属のフォトインタラプタよりも広い範囲を見ているので比例制御に必要な感度特性が得られます。
詳しくは、以下URLのセンサ評価方法を御参照下さい。
PID制御のパラメータ設定方法(限界感度法 ライントレース編) - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)
走行評価に使用したプログラム
走行評価1回目4時間49分、2回目5時間1分(傾斜路を登る力を失って進行停止)ノーミスで走行したプログラムを公開します。
想像とは違って簡単なプログラムだと思ったのではないでしょうか?
制御性が悪いと直角コーナーをクリアできたり、できなかったりするので、条件分岐を追加してコースアウト防止策を行う事になりますが、制御性が良いと比例制御のみでノーミス走行が可能となります。
ちなみにこのロボットでギヤ比のみ48:1に戻して評価しましたが、直角コーナーにて時々制動力不足に起因するコースアウトがありました。
プログラムはCN3がホワイトラインセンサ左、CN4がホワイトラインセンサ右です。
C-Styleの変数は小数点を扱えないので、最後に10で割る事で小数点を表現します。
比例制御ゲイン"4"は ”0.4”を表しています。
C-Styleは0.1秒以下の待ち時間を作れないので、”Ccode”機能で10msの待ち時間を作って比例制御の制御間隔を設定しています。