隠居エンジニアのものづくり

自転車 電子工作 ラジコン ロボカップジュニア CAD レーザー加工機

サッカーロボットの改良(10輪駆動)

はじめに

相手チームの戦術が絡むサッカーのような対戦競技は、実際の試合で得られる情報は大変重要です。

関西ブロックブロック夏のオープン大会で得られた情報を基に年末年始の休暇を利用してロボットの改良に取り組みます。

足回りの改良

コンセプトの

キックオフ守備側時、ボールまでの距離300mmを0.3秒で移動できる加速力特化型機体

・強力な保持力のドリブラーで自由な姿勢でシュートを狙える

に対してはそれぞれ

・マクソンRE16 118715グラファイトブラシモーター12V 4.5Wを圧倒する為にマブチRK-370-2870グラファイトブラシモーター 6V 16Wを搭載、Li-Fe6.6V 850mAhと組合せ

・遠心力シュート時の "回転軸" をロボットの中心から後方に移動させる為に前輪をオムニホイールにした6輪駆動

ドリブラーによるシュートについて - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

にて設計しましたが、遠心力シュートの威力はゴールの決定力を得る目的からは、かなりオーバーパワーでした。

また、フルパワーではキックオフ時にウイリー走行してしまう問題もあったので、足回りの見直しを行います。

サッカーロボットは車両型ですので、車両設計のセオリーに従ってロングホイールベース化してウイリーの抑制を行います。

遠心力シュートの威力は前輪をオムニホイール化しなくても充分と判断します。

左:関西ブロック夏のオープン大会時   右:足回りの改良型

 

ホイールルベース比較 上:関西ブロック夏のオープン大会時 下:足回りの改良型

ウイリーに関しては後輪を可能な限り後ろに下げる事が重要です。

改良型は僅か9mm後ろに下げただけですが、フルパワーでもウイリー走行しなくなりました。

遠心力シュートも充分な威力があります。

ロボカップジュニア サッカーライトウエイトロボットの遠心力シュート

 

可視光センサーとIRセンサーの違いについて

可視光センサーとIRセンサーの違いについて、この ↓ 記事で解説しました。

blackbox-crusher.hatenablog.com

記事を読んだ上での質問を受けることが結構あり、分かりにくい説明になっているとの反省から、今回は理屈抜きにして、ビジュアルに比較致します。

関西ブロック夏のオープン大会用サッカーロボット ↓ のカメラ画像で比較します。

バッテリーの選び方 その3(実証実験編) - 隠居エンジニアのものづくり

ターレットで可視光レンズとIRレンズを切り替えるカメラ

 

このカメラでダイセン電子工業さんのαエクスプローラーの箱を撮影しました。

左:可視光レンズの画像 右:IRレンズの画像

 ”DAISEN”ロゴ の青色と "ロボットの赤色" がIRレンズでは完全に消えていることに注目して下さい。

この様に印刷のインクは可視光に対して作られているのでIRセンサーで見えるとは限りません

IRセンサーは白黒の世界だと例えられますが、これから想像する世界は左側の絵ではないでしょうか?

左:可視光レンズの画像を白黒化 右:IRレンズの画像

IRセンサーでは赤外光の吸収の程度によって白黒が決まりますので右側の様に黒インクの印刷でも灰色に見えます。

 

TJ3に標準搭載しているラインセンサーはIRセンサーですので、アリーナの黒ラインが灰色に見えてタイルの白との差が小さかったり、コートの緑色が白に見えて白線との差が小さかったりします。

IRセンサーを可視光センサーに変更して、白黒をはっきり見えるように改良したのがホワイトラインセンサーです。

このセンサーは投光側のLEDを白色ではなく、赤色を採用することで緑色のカーペットをより黒く見えるように工夫されています。

もちろんアリーナのタイルの白と黒線を明確に判定することができます。

 

 

回路図・PCB CAD Eagleの販売・サポートが2026年にサポート終了! CADの乗り換えはどうする?

はじめに

Sep 26, 2023に ”2026年 5月 6日をもって、オートデスクは EAGLE の販売またはサポートを終了します。” とアナウンスがあって、CADの乗り換えどうする問題が話題になりました。

Eagle4xからのユーザーとしては、Eagle完全互換(オートデスクHPによると)のFusion360電子デザインを使うことにしました。

 

互換性

いわゆる上位互換と言う印象です。

”コピー&ペースト” を ”コピー” コマンドだけで、連続操作可能な独特の仕様も健在です。

違和感があったのは、”Change”(スパナのアイコン)の機能切替を行うのに、一旦 ”ESC” で抜ける必要がある所ぐらいでしょうか?

プロジェクトやライブラリの移行についてはオートデスクHPなどで解説されておりますので容易に検索できます。

動画解説もあります。

機能向上

何が ”美味しいか?” は個人差のある所ですが、3Dライブラリの作成にFsion360ネイティブファイル(.STEPへのエクスポート不要)が使える事と、パターンレイアウトからのプッシュ機能による3DPCBで、ロボットとの干渉チェックが一貫して行える点は設計精度とスピードがUpして重宝しています。

 

基板の外注

基板の外注から遠のいている理由は、基板自作の環境が整ったのが主な理由ですが、外注した基板にコネクタが付かない(穴が小さい)等のトラブルを発注前に見つける事が大変なので、発注前チェックに費やす時間があれば、"2~3枚しか作らない試作基板なら穴開けれてしまう" と感じてしまうのもあります。

この図はXHコネクタのフットプリントが微妙でコネクタが付かなかったと"つぶやき”のあったライブラリを用いて、パターンレイアウトしてプッシュしたものです。

XHコネクタが刺さらないのが分かります。

 

3Dモデル作りから電子ライブラリ化まで、シームレスなので、腰が重かったライブラリ作成をしてみました。

コネクタの抜き挿しのストレスを考慮してピン間に配線を通すより、強度を優先したフットプリントです。日本圧着端子XHコネクタのデータシートでは曲げのあるピンは1.0mm、その他のピンは0.9mmの穴径指定ですが全て1.0mmとしました。

プッシュした3DPCBは一目で違和感がある所を見つける事ができて、チェックは楽々です。

 

このように、干渉チェックコマンドも使えますが、XHコネクタのライブラリ作成時にハウジングに穴を開けずにピンを差し込んだ為に、ここが沢山検出されました。

3DPCBの目視チェックでも充分そうなので、久しぶりに両面板を設計して外注しようと思います。

外注実績のある "Seeed Studio Fusion" の "SeeedStudio_2layer_DRU_no_angle_20140221.dru" の読み込み適用・確認も問題なくできました。(Fusion 360 2.0.17721 x86_64にて確認)

関西ブロック夏のオープン大会2023出場奮戦記

はじめに

RCJの雰囲気・空気感とオープン大会の良さについて、記事にされているのを拝見して刺激を受けたので、大会について書こうと思いました。
ここでは、”おやじ参加”ができるオープン大会と、ロボットづくりの紆余曲折について書きたいと思います。

 

関西ブロック夏のオープン大会の特徴

目的:選手同士の交流を深め、来シーズンの課題と目標を発見する。(HPのコピー)

この目的によって、こんな雰囲気があります。

・試合

選手の実力を測る選抜大会ではメンターの干渉は御法度ですが、ここでは節度あるアドバイスはOKです。親子で和気藹々とロボットのお話ができる貴重な場です。

・車検

検査の場というより、アドバイスの場です。

選抜大会では、”レギュレーション違反”の箇所を告げるだけ(冷たい態度ではなく、”どう対策するか?” を含めて選手主体ですのでアドバイスできないんです。ご理解下さい!)ですが、オープン大会では不具合の応急対策・ノード大会に向けての恒久対策について具体的なアドバイスが受けられます。

オーバーエイジ枠として競技に参加可能

競技者だったOB・OGと、試合を通じての技術交流(17:00完全撤収ですのでOB・OG会が盛り上がるとか)、おやじ参加としては実際のルール・フィールドで試合をすることで得られる、競技の勘所や会場環境によるセンサーの状態把握などをロボット製作の指導に活かせます。

・プレゼンテーション

世界大会の報告や技術紹介などのプレゼンがあります。

・解体ショー

アナウンスで招集される解体ショーや試合終了後に自然発生的に始まる解体ショーなど色々盛り上がります。

 

 

オーバーエイジ枠参加の目的

参加の目的については、この↓記事にて述べているのですが

講習会用ロボットの製作・オープン大会参戦の理由 - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

目的も時間と共に変化しています。今回は圧倒的強さをコンセプトにしました。

ロボカッパーが信頼できる技術情報源は

"ジャパンオープン優勝チームなどの強豪チーム  " >  "エンジニア" の様です。

要するに”勝てないロボットには興味がない”と言うことです。

冷静に考えると、”どこの馬の骨か分からないエンジニア” より "実績のある強豪チーム" に関心があるのは当然です。

ロボットの詳細についてはこちら↓をご覧ください。

バッテリーの選び方 その3(実証実験編) - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

 

奮戦記 

①仕様策定

コンセプトは ”10対0のワンサイドゲームの山を築く程の圧倒的強さ” です。

これを実現する戦術として、

・強力な保持力のドリブラーで自由な姿勢でシュートを狙える

・キックオフ守備側時、ボールまでの距離300mmを0.3秒で移動できる加速力特化型機体(守備側が続いても不利にならない)

そして、ソフトウエアはプレゼンの目玉として、近藤科学シリアルサーボのオリジナル関数の共有を目指しました。

 

②検証

設計計算書通りにパルスボールまでの距離300mmを0.3秒以内に到達することをハイスピードカメラで確認できました。

スーパースローでの動作確認 - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

シリアルサーボの関数作りは、ハードウエアが順調に仕上がったので、当初の計画になかったソフトウエアシリアルまで関数化し、動作確認を終えました。

 

③トラブル(履歴管理の勧め)

Pixy2.1のイメージセンサ光軸とレンズ光軸をターレット位置制御にて調整を終え、後は ”2022年モデルの関数を移植すれば完了” のはずでしたが、完成したプログラムにてシリアルサーボが全く機能しないトラブルが発生。

そこで、重要になるのがプログラムの履歴管理です。

より良い結果を目指してプログラムの修正を行うのですが、必ずしも良い結果になるとは限りません。

修正毎にプロジェクトを新規作成しファイルネームは履歴が分かるように追番します。

これ↓が実際の2023年モデルのプログラム冒頭のコメントです。

V00: ハードウエア・アサイン調整
V01: KRS-3301シリアル専用/スレーブ設定にて入力専用ポートに設定可(S_RX_PIN;A7, EN_PIN:A6)を確認 Pixy2"video"APIによる白最大値IRボール検出確認
V02: KRS-3301シリアル専用/スレーブ設定にてハードウエア通信を確認
    モータードライブ方向変更,ドリブラパッシブ負荷をアクティブ化に伴いアサイン変更
V03: ICS・ソフトウェアシリアルをオリジナル関数化
V04: ターレット光学調整
V05: 一旦不要部分を削除、必要部分はV04から再複写 マルセイユルーレットシュートCW調整
V06: 不要部分削除 ボール補足・シュート動作確認 スタートSW追加にてICS不具合発生→ハードウエアシリアル+ORG関数に変更
V07: setup()にターレットIR位置セット、A6,A7追加

 

V4にてハードウエアとソフトに関係する個々の動作確認が終了(大会4日前)。

V5で全体を繋げて、スタートスイッチを押せばボールを補足してゴールに向かってシュートするはずでしたが、ターレットが回りません。

次善の策として、IRレンズで行う動作、カラーレンズで行う動作をそれぞれ完成させて、V6にて原因究明を行いました。

原因はスイッチを追加する際に、このポートをインプット設定にするとソフトウエアシリアル関数のタイミングが狂うことがオシロスコープ観測で判明。(大会3日前)

ArduinoUNOの仕様に関するのであれば、解決には時間を要するのでハードウエアシリアルへの変更を英断しました。

バッテリー電源とハードウエアシリアルTXをシリアルサーボに供給する基板を設計、エッチングによる基板製作ノウハウのおかげで定時後の作業でも動作確認まで終了することができました。(大会2日前)

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その1(ベクターデータ作成・試作確認) - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その2(エッチング編) - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

V7にてスタートスイッチでボール補足、ボールキャッチ判定、ゴール検出、シュートができる状態まで完成(大会前日)

残り時間を練習に使おうと思って、一服した際に ”初参加のチームが多いよ!” のメールを発見!!

急遽手元にあった初心者講習用ロボットでフルパワーアタックの検証

キックオフ フルパワー検証(俯瞰)

キックオフ フルパワー検証(960FPS)タイムコードの単位はms

 

スローで見ると基板がたわむ程の衝撃が観測されました。

過去、関西ブロック大会で行った、”優勝チームとのエキシビジョンマッチ” のイメージが先行していたので、フルパワーアタックで相手ロボットが壊れる事は想定になかったのですが、キックオフ0.3秒でロボットが壊れたら楽しい雰囲気が台無しです。

急遽、モーター制御関数の上限を30%に制限しました。

モーター制御関数の上限を30%に制限したロボットの動き、子画面はPixy2.1

 

大会当日

先ずスタッフとして、アリーナの組立に問題がないかなどの全体状況の確認、後はひたすら組立・準備

続いてプレゼンの修正、目玉のオリジナル関数の部分をソフトウエアのバージョン管理に変更。

なんとか間に合ってプレゼンテーション、色々質問を頂いて楽しかったです。

それから、いざ試合!

ターレットカラーレンズ位置にてゴールの色を記憶、IRレンズ位置にてパルスボールを記憶し、準備OK。

第1試合キックオフ! ”んっ?” ボールにまっしぐらのはずが何故かくるくる回り続ける。

試合後ソースを見返しましたが、不具合は見当りません。

第2試合も不具合のまま開始、ここで原因に思い当たる。

Pixy2.1のボール記憶位置(sig)とプログラムの判定記憶位置を記憶違いで逆にティーチングしていました(練習不足)。

第3試合より、それらしい動きになりました。

ドロー運に恵まれて僅差ながら、なんとか優勝致しました。

 

試合後の解体ショーにて、ネジ2本で駆動ユニット、ネジ4本でドリブラユニットが分離できる構造になっているところを見て頂き、沢山の質問で大盛り上がりでした。

ソフトウエアに関する質問も多かったですね。

全国のロボカッパーOB・OGの皆さん、ルールに合わせる作業は大変だと思いますが、来年は関西ブロック夏のオープン大会に出場してみませんか?きっと楽しいと思いますよ!

次に向けて

オープン大会の目的にミスリードに関する説明があります。

今回は ”電圧の違いが戦力の決定的差ではないと言うことを” Li-Fe6.6Vバッテリー搭載ロボットで誰が見てもパワフルとわかる性能を試合で実証する目的もありました。

6Vモーターの勧め - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

ロボットの仕様は、Li-Fe6.6Vバッテリーでは ”パワー負けする” 、”勝てない” を払拭する事が軸になってましたが、初心者からレジェンドまで試合相手のダイナミックレンジが広いことを念頭において、次のロボットのコンセプトを考える必要があります。

早速、次の機体設計に入りました。

また来年試合をしましょう!

 

 

バッテリーの選び方 その3(実証実験編)

はじめに

”百聞は一見に如かず”と言うことで、ロボットを実際に動かして、Li-Feバッテリーのフラットな放電特性に起因する安定した制御とパワーの持続性をご覧いただきたいと思います。

 

関西ブロック夏のオープン大会

年齢制限のあるロボカップジュニアの大会において、大人,OB/OG(以下”おやじ参加”と呼称)が参加できる数少ない大会です。

”技術交流”が目的なので、おやじ参加する場合はプレゼンテーション(ロボットの解体ショーやロボット自慢でOK!)は必須です。

今回は、プレゼンと解体ショーを行いました。

会場に足を運んだ方々の努力が薄まる気がするので ”プレゼン&解体ショー” には触れませんが、カメラ(スマホ?)を構えていた方は沢山おられたので興味のある方は人脈(SNSとか)を駆使して情報共有(OYA-Gロボットの画像公開はOKですが人物が写っていない物でお願いします!)して下さい。

私も見たいので(試合の動画を持ち合わせていない)、YouTubeとかにUpして頂けると有難いです。

 

おやじ参加する理由

とにかくRCJサッカーの最適解と違うロボットを見て頂いて、イメージを広げて欲しいと思っています。

ロボカップジュニアはアイデアコンテストですから!

ですのでOYA-Gロボットのコンセプトは、ざっくり以下の様になります。

〇 低価格の部品かつ使用数の最小化

〇 現在主流の戦術とは異なるアプローチ

〇 主流となっている構成と異なる設計

〇 ロボカッパーの常識に潜むミスリードの解説と対応方法の提示

(これらに関する過去記事の抜粋 ↓ )

https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2022/11/26/231205
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/11/07/192327
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/10/02/190154
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/08/24/190611
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/08/21/144528
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/07/22/214222
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/04/26/011251
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/04/13/193308

 

最近、気が付いたのですがロボカッパーの興味や技術情報源としての認識は

"ジャパンオープン優勝チームなどの強豪チーム  " >  "エンジニア"

の様です。

要するに”勝てないロボットには興味がない”と言うことです。

冷静に考えると、”どこの馬の骨か分からないエンジニア” より "実績のあるロボカッパー" の方が信用に足ると思うのは当然です。

と言うことで、これまで大人げないと思っていたのですが、試合に勝つ事も重点に置きたいと思います。

 

OYA-G2023サッカーライトウエイト関西夏のオープン大会エディション

今回は、勝てる戦術とロマン(遊び心)をコンセプトに追加しました。

ロマンの部分は ”まわるターレットから、キ〇コに熱い視線が突き刺さる” と言うあれです。

Pixy2.1のレンズをターレットを用いて"可視光カット赤外光透過レンズ"・"赤外光カット可視光透過レンズ"を切替える事でボール補足とゴール検出を行う"光学系"を軸にした構成です。

2つのレンズを切替えればOKなのですが、実際には使用しない広角レンズを追加して3個のレンズをターレットに配置しています。

最初はスコープ〇ッグのターレットを模したかったのですが、光軸が中央に無いのは自動制御を行う際に面倒なので、ダイビング〇ートル風にしました。

レンズ切替カメラ


”大人の財力+プロの技術” かつ "同じレギュレーション" では、本当に大人げないので、自主ハンデを設けています。

〇 2対1(1台のみで試合をします)

〇 駆動用モーター2個(日本リーグレギュレーション)

〇 駆動用モーターはリーズナブルなマブチモーター

〇 最小個数のセンサ構成

 Pixy2.1×1

 ホワイトラインセンサ×1

 マイクロスイッチ×1

 超音波センサ×1(ソフトが間に合わず試合では不使用)

〇 電圧が低いので不人気のLi-Fe6.6V使用(実は全くハンデになっていない)

フルパワーで相手ロボットに当たったら壊してしまいそうでしたので試合では、30%にパワー制限しました。(但しローター反転シュート時の0.2秒間のみフルパワー前進)

優勝機体なので盛り上がったのか?解体ショーは質問が絶えず、司会進行に時間切れを告げられました。

モジュール構造にしている部分は、リクエストにお答えして概ね分解しました。

ロボットを用いた実証実験

ゴールにゴム紐を張って、”ボール補足→ゴール検出→ローター反転シュート→ボール補足”のプログラムにて休みなく動作させます。

Li-Feは放電特性がフラットで、低電圧保護回路を搭載しているので電圧監視の必要がないのですが、動画に電圧情報を付加する目的で電圧計を追加しています。

ところがGIFでは判別不能ですので、実況を付け加えます。

スタート時(満充電時)6.7V、1分程で6.6V、5分程で6.5Vその後10分経過しても6.5Vを指示します。

10分間に 53ゴール/55シュート していますが、試合では得点毎に仕切りなおすので、実際の試合での消費電力は連続稼働の70%程度だと思います。

低電圧保護回路が作動して機能停止したのは19分25秒でしたので、試合では10分ハーフ前半・後半をバッテリー1本で戦える計算になります。

 

動画はタイムコードを付加して、スタート直後と10分経過後かつロボットの動きが分かり易いシーン(13分後)を繋げて比較できるようにしてあります。

Li-Fe 6.6V 850mAh連続稼働テスト

近藤科学 ROBOパワーセル F2-850タイプ (Li-fe)の放電特性が公開されていない為、下図を参考にします。

低電圧保護回路が遮断したバッテリーを充電した時の充電容量は800mAh程度ですので

ロボットの平均消費電流は、800mAh÷20分=2400mA 

放電レートは2400mA÷850mAh≒ 2.8C

1Cと5Cの間位のイメージになります。

スタート直近に定格電圧より若干高い電位の区間がありますが、そこを過ぎると殆どフラットです。

実証実験の結果と相関していると思います。

Li-Fe放電特性

比例制御のゲインは、調整した時のモーターパワーに対しての最適値です。

80%のモーターパワーで調整すれば、100%時には振動します。

60%ではゲイン不足に陥ります。

つまり、Li-Poバッテリーで10分ハーフ毎バッテリー交換が必要なロボットがベストパフォーマンスを出せる時間は限られています。

Ni-MHバッテリー使用ロボットがジャパンオープンで優勝するのを意外だと思った方多いようですが、Li-Feバッテリー同様にフラットな放電特性を持つNi-MHバッテリー使用ロボットが終始安定してパフォーマンスを出せた結果と考えれば必然と言えます。

 

バッテリーの選び方 その2(放電特性の影響検証編)

はじめに

レスキュー・オンステージ共に殆どのチームがNi-MHを使用しています。

Ni-MHは、以下の様に非常にフラットな放電特性をしていて、自立制御ロボットに適しています。

乾電池・ニッケル水素放電特性

御覧の通りNi-MHは初期に電圧が下がって以降は放電に伴う電圧低下は殆どありません。

乾電池を使用している方は単3型のNi-MHに変えるだけでも再現性が向上するのでお勧めです。

 

Li-Fe(前回記事にて解説済み)・Ni-MH共に放電に伴う電圧降下の影響は限定的ですので、Li-Poの放電特性の影響について検証します。

解説はLi-Po使用チームが多い、サッカーにフォーカスします。

 

バッテリー電圧とモーターパワーの関係

モーターは電圧に比例して回転数が変化します。

同じようにトルクも電圧に比例して変化します。

しかしながら、肝心のパワーは2乗則になります。

以下はLi-Po(2セル 公称電圧7.4V)を使用した場合のマブチモーターRS-280SA-2485の特性シミュレーション結果です。

Li-Po + RS-280SAシミュレーション結果(左:満充電電圧8.4V 右:残量量20%時6.72V)

試合開始時のモーターパワーを100%とすると、終盤は8.5(W)÷13.3(W)≒64%になります。

放電特性によるモーターパワーへの影響度合い

制御への影響

遠心力シュートはボールを離すタイミングが非常に大切(シビア)です。

ドリブラーによるシュートについて - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

ジャイロセンサを用いて角度推定してボールを離すタイミングを計っているチームが多いと思います。

但し、”角速度にて制御しているのでバッテリーの電圧変動の影響は受けない”は間違いです。

レスキューラインの緑マーカーUターンやレスキューメイズの行き止まり時のUターンの様にターンに2~3秒かかる場合は電圧変動の影響を受けないと言えますが、遠心力シュートのタイミングの様に0.2秒程度の場合は、センサ読み取り間隔(時間)が影響します。

遠心力シュート(蹴り出しタイミングにてLED点灯)

実際に振り向きざまにシュートする”遠心力シュート”のボールを離すタイミングを計測した結果、240msでした。

これを基に検証します。

シュートコースが狙いの角度になったタイミングが240msの時だとすると、220msにてキックせず、240msにてキックする為の閾値は1150(ジャイロセンサ値の積算値)となります。

満充電電圧8.4Vのモーターパワーにて生じたジャイロセンサ値を100、残量量20%時6.72V(満充電電圧×0.8)を64とした場合

Li-Poの放電特性による影響

6.72Vの場合、90°になるタイミングは375msですが、ジャイロセンサ制御では86.4°:360msになってしまいます。

更に閾値1150にジャイロセンサ値が近しいので360msと380msにてバラツキが発生します。

 

 

出典:

Panasonic なぜニッケル水素電池は1.2ボルトで機器に使用できるのですか?
https://jpn.faq.panasonic.com/euf/assets/images/panasonic/answer_images/energy/charge/18419.png

 

・MABUCHI MOTOR製品検索RC-280SA-2485 

https://product.mabuchi-motor.co.jp/detail.html?id=86

バッテリーの選び方 その1(理論編)

はじめに

ロボット製作に必要なパーツは色々ありますが、パワーの源となるバッテリーの性能の違いはロボットの性能に直結します。

バッテリーの選定はとても重要と言えます。
今回は、バッテリーの選定に必要な要件や用語の解説を行います。

Ni-MH・Li-Po・Li-Fe

入手性の良い模型用のバッテリーはこの3種類だと思います。

Ni-MH・Li-Po・Li-Feの順番に製品化されています。

Ni-MHの重量エネルギー密度を大幅に超える二次電池としてLi-Poが製品化され、形状の自由度の高さからモバイル製品に広く採用されました。しかしながら単独で燃焼の3要素(可燃物・酸素供給源・点火源)を備える危険性の高さ、放電に伴う電圧低下、低温特性などNi-MHに劣る部分もあり、車載ではNi-MHを置き換えるには至りませんでした。

Li-Poの発火・爆発の要因となる熱暴走を無くし、放電特性を改善した次世代リチウム二次電池としてLi-Feが製品化されました。

 

Li-Po放電特性

Li-Fe放電特性

定格容量の近いLi-Po、Li-Feの放電特性を掲載しましたが、公称電圧が異なるなど比較しにくいので、電圧と容量を百分率換算して特性比較したのが下図です。

 

Li-Poの放電特性を改善したLi-Fe

必要要件

パフォーマンスの高いロボットに仕上げる為の必要要件は以下の通りです。

〇サイズ・重量
・車両規定をクリアする為にコンパクト・軽量であることは重要です。

〇放電特性

・モーターの停動電流は"1A"を軽くこえます(ダイセン電子工業さんのロボサイトモーターでも停動電流3.06Aです)のでDC-DCコンバータを用いて定電圧供給するのは重量・サイズの観点から現実的ではありません。

ですので、モーターへはバッテリーから保護回路を介しての直接供給になります。

直接供給の場合はバッテリーの放電特性の傾きが小さい事が重要です。

乾電池の様に電池残量が少なるなる程、電圧が低くなるのでは、比例制御のゲイン等の制御値が定まりません。

レスキュー競技では影響度が高いのですが、Li-Po仕様のレゴマインドストームは動力モータをサーボモーター(電圧制御ではなく、回転数制御)にする事でクリアしています。

サッカー競技では、遠心力シュートのボール速度・コースが電圧変動の影響を受けます。

Li-Poの電圧変動の影響を軽減するには、バッテリー電圧を分圧してマイコンで監視して最大出力を抑制する方法が考えられます。

満充電電圧4.2Vを100%として80%まで低下する傾きであれば、最初はモーター出力を最大80%に制限しておいて徐々に制限を100%にして行けば、モーターの実質的出力は終始変わらず高い制御性を得る事ができます。

実は、4.2V×80%=3.36Vに安定化するのと等価ですので、3.3Vで安定な放電特性を持つLi-Feを使うのと大差ありません。

公称電圧の意味合は皆さんがイメージしていたのとは異なるのではないでしょうか?(以下の用語説明を御参照下さい。)

 

ロボカップジュニアサッカー界隈で、どういう訳かLi-Poが高性能バッテリーと言うイメージがあるようですが、完全自立制御のロボット競技であるロボカップジュニアにおいては使い勝手の悪いバッテリーと言えます。

 

二次電池の性能表記用語

〇満充電電圧

100%充電を行った際の電圧(V)

 

〇放電終止電圧

安全に放電を行える放電電圧(V)

 

〇公称電圧

電池を通常の状態で使用した場合に得られる電圧(V)の目安

概ね満充電時の電圧と終止電圧の間の値になります

 

〇定格容量

満充電電圧から放電終止電圧まで放電した蓄電量(mAh)を示します

 

〇実効容量

過充電のリスク回避の為に満充電にならない蓄電量80%にて充電を終了、過放電のリスクを回避する為にが放電終止電圧を蓄電量20%にするなど、安全な運用の為に定めた蓄電量(mAh)