隠居エンジニアのものづくり

自転車 電子工作 ラジコン ロボカップジュニア CAD レーザー加工機

レーザー加工機の使い方 その3 (立体構造部品編・ドリブラーの製作)

位置決めピンを用いた立体構造

平行ピンなど寸法精度の高い部材を位置決めピンに使用して複数枚の板をアクリル接着材にて積層する事で立体構造を持つ部品を作る事ができます。

 

位置決めピンの使い方

f:id:Blackbox_crusher:20210110020640p:plain

レーザー加工機用3D CADデータ

CADデータ作成の際に接着作業の位置出しに使う平行ピンの穴を用意します。

5部品全て切削して2分19秒です。

f:id:Blackbox_crusher:20210110024308j:plain

平行ピンで位置決めをして溶剤型アクリル接着材を用いて接着する

この作業を行って完成したスプロケットホイールはこちら

f:id:Blackbox_crusher:20210110024548j:plain

プラスチックTTギヤモータ用スプロケットホイール

接着材は直ぐに剥がれるイメージがある様ですが、溶剤型接着材は強力です。

アクリル接着材の場合、剥がそうと思って力を加えると接着面と違う所が割れる位です。また接着材乾燥時間がとても早く瞬間接着剤よりよっぽど”瞬間”です。

5部品の接着作業時間は5分程度です。

  

割れないアクリル板

アクリル板をレーザー加工で”ものづくり”する際の懸念事項に”割れ”の問題があります。

アクリルは曲げ強さや硬さでは文句のない材用ですが、応力集中時にガラスの様に割れる性質があります。

この為に厚み1mmの使用は避けたいところです。

そこで割れないアクリル板の登場です。

少し専門的になりますが、ガラスの様に割れる性質はアイゾット衝撃強さが小さい材料に起こります。

アクリサンデー株式会社さんのIR板(通常品はEX板)はこのアイゾット衝撃強さを大幅強化した割れないアクリル板です。

ホームセンターなどで購入できるものは”強化アクリル板”(強化PMMA)の名称です。

f:id:Blackbox_crusher:20210729065820p:plain

 ペットボトル(PET)はご存じの通り、薄くても頑丈でガラスの様に割れることはありません。

この強化アクリル板はPETを上回るアイゾット衝撃強さを持っておりハサミで切ることもできます。(トレードオフで柔らかくなってます)

残念ながら入手可能なのは透明、半透明の厚さ1mmのみですが、”割れ”の心配の無い1mmの部分を含む立体構造を設計する事ができます。

 

ドリブラーの製作

強化アクリル板(1mm)の使用を前提に接着を用いた立体構造部品をモデリングします。

f:id:Blackbox_crusher:20210729005109j:plain

接着による立体構造部品1

f:id:Blackbox_crusher:20210729005214j:plain

接着による立体構造部品2

f:id:Blackbox_crusher:20210729010453p:plain

ギヤ構成 81:1

f:id:Blackbox_crusher:20210729005310j:plain

立体構造部品の組立

f:id:Blackbox_crusher:20210729005758j:plain

実物

平板の組み合わせで立体物を構成するのに多少の慣れが必要かもしれませんが、この方法を用いる様になってから、ここ半年以上殆どNCフライスを使っていません。

もちろんNCフライスを使えばアクリル以外の材料も使えるのですが、諸々の事情で遠ざかっています。

〇材料費が安い上に無駄がない

f:id:Blackbox_crusher:20210729012340j:plain

ギヤの保護カバーとギヤが同時に加工できた例

〇とにかく加工が早い

レーザー加工機がファンとポンプの音しかしないので稼働時間を選ばない

 

NCフライスを使っていた時は、切削時間が長時間にも関わらず、掃除機や洗濯機を使っても良い時間帯(近所迷惑にならない時間帯)しか使えないジレンマにより休日しか使えず、部品が揃うのに何週間も必要でした。

今は、帰宅後にも使えて1ユニット30分もあれば部品が揃います。

確かに購入単価は低価格のNCフライスより高いですが、エンドミルの様な消耗品は無くランニングコストは必要ありません。

購入前はCO2レーザー管 3000時間交換2万円を気にしていましたが、加工がとても速いので9か月使い倒して35時間(beamoはディスプレイにレーザー管の使用時間が表示される)と意外と消耗しない事が分かりました。

御参考まで。

レーザー加工機の使い方 その2 (ポケット加工編・オムニホイールの製作)

レーザー加工機ではポケット加工は不可能では?

ポケット加工ができない事がレーザー加工機の欠点に挙げられますが、シャフトの軸受け程度のポケットを作ることは、工夫次第で可能です。

 

彫刻と切断の間

理屈は簡単で彫刻と切断の間を狙うのですが、どちらかと言うと”深い彫刻”のイメージですね。

ポケット加工を行うには、モデルの作成時に一工夫が必要です。

例題としてオムニホイールを製作します。

 

モデリング

小径(32mm)トリプルオムニホイールのポケット加工について解説します。

f:id:Blackbox_crusher:20210728212249p:plain

御覧の通りシャフトを固定するポケット加工が必要な構造です。

①ポケット加工部分をレーザー加工機の刃幅で埋まる様にモデリングします。

後工程にてポケット加工と外形カットをレイヤ分けしますので”外形とポケットが接点を持たない”様にモデリングするのがコツです。

f:id:Blackbox_crusher:20210728213703p:plain

②CAMプロセッサを用いてDXFファイルを作製

f:id:Blackbox_crusher:20210728214533p:plain

③2DCAD(LiberCAD)にてポケットデータと切断データをレイヤで分ける

f:id:Blackbox_crusher:20210728215028p:plain

ポケットレイヤ

f:id:Blackbox_crusher:20210728214858p:plain

切断レイヤ

④ポケットレイヤをポケット深さ相当の板厚パラメータ(0.7mm)にて切断加工

f:id:Blackbox_crusher:20210801004010p:plain

※参考:Beam Studioのポケット加工0.7mmのパラメータ


⑤切断レイヤを板厚パラメータ(3mm)にて切断

(beamo付属のアプリBeam Studioはレイヤごとのパラメータ設定ができますが、レイヤ制御のできないツールの場合はツール毎に同じ動作ができる様に工夫して下さい)

 

下図はこの手順にて1.5mmSUS平衡ピン用のポケット加工を行った製作例です。

(ポケット部にバリが残る場合は爪楊枝などで軽く吐き出して下さい。)

f:id:Blackbox_crusher:20210728220714j:plain

 

TTギヤードモータのハブを兼ねているのでコンパクトです。

これを3段重ねる(トリプルオムニ)と小径ながら上下動が小さくグリップの高いオムニホイールに仕上がります。

f:id:Blackbox_crusher:20210728222328j:plain

使用した材料(シングル)

1.5mm×14mmのSUS平行ピン、ハトメ2×4(穴径1.6・足径2.0・高さ4.0mm)、ゴム足、アクリル板

f:id:Blackbox_crusher:20210728222915j:plain

 

f:id:Blackbox_crusher:20210729001221j:plain

トリプルオムニ使用例

 

レーザー加工機の使い方 その1 (準備編)

アクリル板加工の精度Upや使い方の工夫について順を追って記事にします。

使用CAD・CAMはFusion360を用います。

 

精度よく仕上げるには、レーザー加工機の”切り口の幅”(刃幅)を掌握する事が重要です。

 

準備する物

〇アクリル板(板厚2~3mm)

〇平行ピンなど寸法精度の良い物

〇普段良く使うベアリングなどの寸法精度の良い機構部品

 

これらが貫通する寸法のモデルを作ってCAMでDXFファイルを出力します。

CAMを用いたDXFデータの作り方はこちら↓

Fsion360のCAMで歯車をつくる - 隠居エンジニアのものづくり

Fuion360のデフォールトは”切り口の幅”は0.4mmですが”beamo”は0.1mm程度です。

以下は平衡ピン1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、外形6mm、10mmのベアリングが押し込んでギリギリ貫通する様に”切り口の幅”変えながら評価したものです。

f:id:Blackbox_crusher:20210728204250j:plain
保護シートを剥がしてないのでMDF風ですが、厚み3mmのアクリル板です。

評価の結果”切り口の幅”は0.10mmとなりました。

 

評価する時は以下の点に注意して下さい。

〇ワークに合わせて正確に焦点距離を合わせて下さい。

〇3mm以上の厚みの場合、レーザーの入り口、出口での”切り口の幅”が異なります。

 

求めた”切り口の幅”をツールに登録して完了です。

f:id:Blackbox_crusher:20210728205533j:plain

 

A4サイズ(2mm厚)のアクリル板を330円で購入する方法

記事を短編に纏めて見ようと思います。

レーザー加工機の使い方 その0 (部材調達編)と言うところでしょうか。

今回の購入方法では、A4サイズ210×297mmより若干大きいサイズになります。

アクリル板を安く購入する方法

”アクリルショップはざいや”さんの”2カット無料”を利用する方法です。

トップページの左側にある アクリル板 白黒 → アクリル板 黒板(キャスト)と移動して

アクリル板黒(キャスト)板厚2mm 450×600を選択して、備考欄に

”十字カット 約225 × 約300 = 4枚"

と記載するとA4サイズ位のアクリル板1枚330円で購入できます。

カットする際に刃幅分は損失しますので”約”と明記して寸法が多少異なっても良い旨を伝えるのが重要です。

 

私は1万円以上で送料無料キャンペーン中でしたので

アクリル板黒(キャスト)板厚2mm 450×600 数量:8

”十字カット 約225 × 約300 = 32枚"

にて注文しました。

 

2021/07/21現在、ご参考まで。

 

CFRPの切削加工

CFRPの切削加工は大変危険です!

粉塵による健康被害

アスベスト訴訟の和解手続きに関するTVCMが頻繁に流れているので、アスベストの粉塵による健康被害についてはご存じかと思います。

粉塵起因の病気の中でも”悪性胸膜中皮腫”はⅠ期の5年生存率14.6%と致命的かつ25~50年の潜伏期間がある恐ろしい病です。

この潜伏期間によって健康被害の顕在化までの長きにわたり、具体的には2006年9月1日労働安全衛生法施行令の改正によるアスベスト製造、輸入、使用が禁止に至るまで高機能建材として多用されました。

 

健康被害を起こす物質

アスベストの他にもエリオン沸石の粉塵曝露も悪性胸膜中皮腫の原因とされます。

アスベストとエリオン沸石の共通点は

〇肺胞に達する微粒子
〇針状(繊維状)
〇高い耐久性

であり、発症のメカニズムは繊維状の物質が肺に刺さり、絶え間なく細胞を刺激し続ける事で起こるとされています。

この知見によって針状の構造と高い耐久性を持つ微粒子の曝露は”悪性胸膜中皮腫”の発症を疑う必要が生じました。

最先端技術としてweb露出度が高い”多層カーボンナノチューブ”が”発がん性”セットで論じられるのはこの為です。

 

CFRPの粉塵

ではCFRPを切削加工した時の粉塵はどうでしょうか?

恐らく”CFRP”、”健康被害”で検索しても殆どHITしないと思います。

前出の通り、アスベストで得られた知見によって、針状の構造と高い耐久性を持つ微粒子の曝露が発生するシーンでは対策が行われています。

厳格に対策されているから健康被害が発生していないと考えるのが妥当でしょう。

”webでHITしない”イコール”健康被害は起こらない”は早計です。

ここではCFRPの切削粉塵が肺胞に達する微粒子なのかについて考察します。

国際基準であるISO 7708により以下の様に人体への侵入度合により吸引性粉塵、咽頭透過性粉塵、吸入性粉塵(肺胞への侵入)の3種類に分類されています。

f:id:Blackbox_crusher:20210726170754p:plain

空気動力学径は針状などの粒子を終末沈降速度が等しい密度 1 g/cm3 の球の直径として考える方法で、カーボンファイバーの直径7μm長さ10μmの粉塵を空気動力学径7μmと仮定して赤線を入れました。

咽頭を超えて気管支・肺に70%以上が、肺胞にも5%以上が到達する事になります。

逆に咽頭を超えない為には空気動力学径30μm以上は必要ですので直径7μmでは相当の長さが必要な事が分かります。

カーボンファイバーが高い耐久性を持っているのは説明するまでもないですね。

つまり、健康を害する要件は揃っていると言う事になります。

 

個人の自由?

校舎や体育館にアスベストが使用されている為に使用禁止になり、アスベスト除去作業や建て替えになったと言う経験がある方は少なくないと思います。

アスベスト被害の特徴の一つが採掘や製造に関わった人のみならず、使用された建物を使用しただけでも発症する事です。

つまり、この手の粉塵は極めて微量であっても危険と言う事です。

個人宅で切削するば、家族が、学校で切削すれば、その場を共有する人全員が危険と考えるべきでしょう。

”リスクを承知でやっているので個人の自由だ”は通用しません。

 どうしてもCFRPでロボットを作りたい方は、外注するか、CFRP材を液体に沈めて加工するなど粉塵が発生しない加工方法を工夫して下さい。

 

 

出典:

独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 

粉じんの吸入ばく露による健康障害を評価する


日本癌治療学会 がん診療ガイドライン

悪性胸膜中皮腫

ロボカップジュニア  ロボットづくりの材料

ジャパンオープン2022は予定通りサイズが180mmになります。

2021ルールに記載されていたので対応済みですね。

作り変えが必要な方は材料選択の参考にして下さい。

 

ロボカップジュニアの大会で見かける材料は木材(MDF)、樹脂(板を加工・3Dプリンタ)、アルミ、CFRPと言うところでしょうか。

製作の早さ・安さ・強度・精度の4拍子そろった”アクリル(キャスト)樹脂をレーザー加工”する事をお勧めしています。

(過去記事のこちら↓も御参照下さい)

学校の部活で3D CADを導入するには(ロボカップジュニアに取り組んで居られる指導者の方向け) - 隠居エンジニアのものづくり

”アクリルで作ったら試合中に割れた”と言う話もありますが、ロボットを見ると応力集中する形状(肉抜き、細長い部分、穴の連結)になっています。

要するに材料の問題では無く、設計の問題ですね。

材料の実質的強度

重量制限がある競技ですので、同一質量での強度を比較するのが論理的です。

Fusion360のローカルシミュレーションを用いて強度比較をしてみましょう!

OYA-G2022モデルのシャーシ(厚み2mmのアクリル)を基準にして、材料違いのシミュレーション結果を比較します。

ロボットの部品が割れるシーンは、ロボット同士の衝突や走行中にゴールに衝突するなど衝撃が加わる時です。

静荷重シミュレーションで衝撃加重を想定する為に、”荷重”をロボットの質量2.2㎏の10倍程度220Nとします。

アクリル(57g)、アルミ(121g)、CFRP(69g)を同一質量になる様に肉抜きを行なって強度比較します。

(MDFはシミュレーションの結果、安全率1以下(レッドゾーン)だったので比較対象から除きます。)

f:id:Blackbox_crusher:20210722172403p:plain

 

Fusion360では安全率3以上がグリーンゾーン、6以上がブルーゾーンになります。

アルミの方が強度が低いのは意外でしょうか?

アルミはアクリルと同じ重量にするには、直径178mmのシャーシに直径130mmの肉抜きが必要です。

実際には部品をネジ止めする位置を確保する為に複雑な形状に設計する必要があり、上図よりも細い部分が生じます。

複雑な形状により、切削線長が伸びるのでCNCでのアルミ切削は膨大な切削時間を要します。

アクリル板の場合、20W CO2レーザー:2分49秒、3.6Wダイオードレーザー:20分で加工できます。

f:id:Blackbox_crusher:20210722195613p:plain


アクリルよりCFRPが重いのも意外でしょうか?

強度が2倍程度あるので同じ強度なら半分の重量にできるのがCFRPの強みと言えます。

CFRPは製造時に反りや曲がりが生じないように表裏一層がクロス材で中間層は単一方向材で製造するのが一般的ですので、細い部分を作ると極端な強度低下を生じる事があります。

CFRP加工時に発生する粉塵は人体に重大な害を及ぼす可能性が高いので絶対に加工しないでください。
粉塵の本当の怖さは”即効性がない”事です。
何年も経った頃に発症するので、”切削しているけど何ともないよ” は安全の証明にはなりません。

個人でもCFRP加工をCADデータにてオーダーできるサービスがありますので、どうしてもCFRPでロボットを作りたい方は、外注するか、CFRP材を液体に沈めて加工するなど粉塵が発生しない加工方法を工夫して下さい。

 

アクリル板を用いた設計

丈夫なエンジニアリングプラスチックとして有名なポリカーボーネートよりもアクリルの方が曲げ強さ、ロックウェル硬度は高く充分な強度があります。

ただし、アイゾット衝撃強さが小さいので応力集中箇所がガラスの様に割れる性質があります。

つまり設計段階で応力集中しない配慮をすれば、アルミ製ロボットと同等強度に仕上げることができます。

〇肉抜きを行なわない(何もしなくても、肉抜きしたアルミと同じぐらい軽い)

〇角を作らない。(角はフィレットで丸める)

〇細長い箇所は作らない。

 

アクリル板を安く購入する方法

アクリル板の調達方法を紹介します。

”アクリルショップはざいや”さんの”2カット無料”を利用する方法です。

トップページの左側にある アクリル板 白黒 → アクリル板 黒板(キャスト)と移動して

アクリル板黒(キャスト)板厚2mm 450×600を選択して、備考欄に

”十字カット 約225 × 約300 = 4枚"

と記載するとA4サイズ位のアクリル板1枚330円で購入できます。

カットする際に刃幅分は損失しますので”約”と明記して寸法が多少異なっても良い旨を伝えるのが重要です。

 

私は1万円以上で送料無料キャンペーン中でしたので

アクリル板黒(キャスト)板厚2mm 450×600 数量:8

”十字カット 約225 × 約300 = 32枚"

にて注文しました。

 

ご参考まで。

 

 

16種類の戦術切り替えを1ポートで行う方法

戦術に限らずプログラムの書き換えを行わずに、パラメータの変更や値の調整などができると便利です。

私のロボットは、ロータリーディップスイッチを用いて起動時に0~15の値を読み取る仕組みになっています。

大変便利で、ハード確認の際にはモータドライバのパワーを0%~15%に割り振って、モータが無負荷で回転を開始するのが何パーセントか?駆動部(ギヤボックスを自作するので)が組み上がった時に起動パーセントを確認、比較して摩擦の大小を把握します。

プログラムの組み始めは、限界感度法で得た比例ゲインを中心値にして前後の値を確認するのに使うとチューニングがスピーディです。

試合では戦術を切り替えなる必要がないので、シュートのタイミングや角度の調整に使っています。

とは言え、”便利”4ポート消費するほどの余裕はありません。

そこで、ロータリーディップスイッチを1ポート(アナログ)につなげる方法です。

 R-2RラダーDACを用います。

R-2RラダーDACについては検索して頂くと色々記事がありますので、ここでは解説しません。

 

実際にプログラムで0~15の値を得るには”閾値”が重要になります。

先ずロータリーディップスイッチを0から順番にに切り替えながら、その時のA/D値を記録します。

f:id:Blackbox_crusher:20210703204732p:plainf:id:Blackbox_crusher:20210703205104p:plain

この表の様に各スイッチポジションの中間値を計算して閾値とします。

同時にグラフにして”R-2RラダーDAC”の動作を確認しておく事をお勧めします。

 プログラム例:

void Get_4bitRSW()

 {
  SensorValue = analogRead(Command_RSW);        // アナログポートの読み取り
  CommndValue = 0;                                                // コマンド初期値

 if (SensorValue > 921)
  {
   CommndValue = 15;
  }
 else if (SensorValue > 854)
  { 
   CommndValue = 14;
  }
 else if (SensorValue > 788)
  {
   CommndValue = 13;
  }
 else if (SensorValue > 726)
  {
   CommndValue = 12;
  }

            以下省略
}

 

 閾値を適切に設定すれば、正確に0~15を得ることができます。

 サッカーオープン2022仕様(中央下側がR-2RラダーDAC回路)

※R-2RラダーDAC回路はコンプリメンタリ・コード用です。

f:id:Blackbox_crusher:20210703205847p:plain

 R-2RラダーDAC回路に必要な面積はロータリーディップスイッチのひと回り大きい程度で、水色の枠で囲んだ部分です。

ちなみに黒色塗装銅張基板をレーザー加工機でパターン描きするので、シルクなどのオーバーラップ系のDRC警告は無視できるのでパターン引きは楽々です。

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その1(ベクターデータ作成・試作確認) - 隠居エンジニアのものづくり

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その2(エッチング編) - 隠居エンジニアのものづくり

f:id:Blackbox_crusher:20210703211308p:plain

 

2021ルールから

”ロボットは平面上に置かれた状態で、他のロボットを妨害する可能性のある可視光を発してはいけません。相手のロボットのビジョンシステムに干渉する可能性のある光を発する全ての部品は、隠されていないといけません。”

が追加されました。

”他チームのロボットの影響を受けていると主張するチームは、その証拠あるいは根拠をみせなければいけません。”

とありますが、少なくとも”PixyCam搭載ロボット”は”PixyMon”を用いて再現性良く簡単に根拠を示すことができます。

実際にPixyMonによる”干渉の証明”を行ってみ見ましたが、”目視でLEDを認識できればまずOUT”です。

ボールキャッチセンサなど外に光が漏れる光学センサはメカニカルに変更しました。

使用禁止になったら大変なラインセンサの対策についてはこちらを参照下さい。

 ラインセンサについて (その2 サッカーリーグ編) - 隠居エンジニアのものづくり (hatenablog.com)

この様な”干渉に関する”ルール変更の状況を踏まえた2022仕様の基板はこんな感じです。

フェノール基板の色が相手ロボットのビジョンシステムの邪魔をしないようにエッチング後にベンジンで脱脂、320番のサンドペーパーで表面を荒らして、艶消し黒のラッカースプレーで塗装してあります。

LEDはデバッグ用で試合中は点灯しません。

ArduinoNano搭載のLEDは基板の動作確認が完了した後にテーピングで遮光します。

電源用コネクタはスイッチ用と間違わない様に赤染めのコネクタを使用していますが、ロボットに実装した時に、赤色が見えない工夫がしてあります。

f:id:Blackbox_crusher:20210703214122j:plain