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ロボカップジュニア レスキューライン 比例制御の効果

はじめに

ロボカップアジアパシフィック2021あいち”で頂いた質問の続きです。

比例制御の効果について質問がありました。

本大会においてもON-OFF制御で安定してライントレースをしているロボットはありました。

できない事を解決する為のチャレンジと違って、できている事を別の方法に置き換えるモチベーションには明確な効果が必要でしょう。

 

比例制御の効果

直線ラインを3秒間”ON-OFF制御”と”比例制御”で走行するプログラムで比較を行います。

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ON-OFF制御

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比例制御

御覧の様に直線を走るスピードの差は絶大です。

どちらも同じモータで最大出力は100%にてプログラミングされています。

この差の正体はセンサ位置が描く軌跡の違いです。

センサ位置の軌跡は以下の様になります。

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ON-OFF制御・比例制御の軌跡比較

 

ON-OFF制御は右斜め前、左斜め前の繰り返しです。

比例制御は、わずかに左右に動きますが概ね前進に近い動きをします。

3秒間の線の長さは同じですが、ON-OFF制御は寄り道が多い分、前進する距離が短くなると考えて良いと思います。

 

つまり、ON-OFF制御を比例制御に変えるだけでハードの改造(モータのパワーアップなど)無しに直線スピードを上げる効果を得られます。