ロボットビジョン (Robot vision made easier:pixycam.comの冒頭文)
画像処理を行った結果を出力してくれる便利なカメラとして登場した”Pixy CMUcam5 イメージセンサ”ですが、既に2回のモデルチェンジを経ています。
(Original Pixy → Pixy2 → Pixy2.1)
Pixy2は固定レンズでしたが、Pixy2.1はボードカメラで標準的な”Sマウント(M12 P-0.5)”になり、レンズ交換が可能となりました。
画像処理は以下3種類が選択できます。
●Color Connected Components
●Line Tracking
●Video
いざレンズ交換
早速webショップで即日発送のレンズを焦点距離違いで3種類発注!
オリジナルレンズを取り外し、購入したレンズを取付て専用アプリの"Pixymon"を見ながらフォーカス調整を行います。
ここでトラブル発生!
なんとフォーカスが合うポジションがレンズが外れて1mm程の距離にあります。
他のレンズも、丁度外れた当たりでピントが合うようです。
スペーサ作成
エクステンダーを購入して距離を稼ぐ方法もありますが、エクステンダーの外ネジと内ネジのオフセット距離にピントがあるので、今回は無理そうです。
そこで、スペーサを設計して基板とSマウントの間を3mm以上離す事にしました。
例によって3DCADで設計してレーザー加工機で試作!
良い感じなので2mm厚アクリル板2枚を貼り合わせてIRカットフィルタを付けれる様にした物と、3mm厚アクリル板1枚物を製作(加工時間57s)。
(平板から立体物を作る方法はこちら ↓ )
https://blackbox-crusher.hatenablog.com/entry/2021/07/29/020802
Sマウントとの接合面は800番のサンドペーバーで艶消し処理をしています。
ネジをM2×8mmに交換して組み立てれば完成です。
IRカットフィルタが無い場合には、色の鮮やかさが損なわれます。
(このブログではwebにて容易に検索できる事は解説しません。
カラーイメージセンサの仕組みについては多くの説明がweb上にありますので、そちらを御覧下さい。)
IRカットフィルタが必要な理由はザックリ以下の通りです。
●センサ(フォトダイオード)は赤外線領域にも感度がある。
●R・G・B各カラーフィルタは赤外線領域の透過率が高い。
カラーフィルタの透過率特性をエクセルを用いてグラフにしました。
御覧の通りRGBの何れのカラーフィルタも800nm以上の赤外線領域では透過率が高くなります、
例えばRGB比率100 : 0 : 0の赤い物を撮影しても、光源に赤外線が含まれる場合にはGフィルタの素子にもBフィルタの素子にも赤外線による信号が出てしまうので、100 : 30 : 30の様になります。
これが色褪せの原因です。
照明が白色LEDや蛍光灯のみの会場ではIRカットフィルタがない状態でも色褪せる事はありませんが、ジャパンオープン2022のレスキューチャレンジの会場の様に太陽光の採光による照明を採用している建屋もあります。
レンズ交換する場合は、IRカットフィルタについても考慮しておくと”いざという時”に困らないと思います。