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6Vモーターの勧め

モータを電圧で選んでいませんか?

パワーは電力値(W)で表示されます。

モータは電圧を上げれば回転数が上がりますから、電圧が高い方がパワーがある様な錯覚に陥りますが、ロボットの必要とするパワーを基準にモーター選択を行う場合はラジコン用の6Vモーターの方が、種類豊富、手頃な価格で入手性も良好です。

Li-Fe 6.6V 850mAh + 1/16スケール電動ラジコンカー用モータ

”百聞は一見に如かず”と言うことで公称電圧6Vのマブチモーター(1200円)を近藤科学さんのROBOパワーセル F2-850タイプ(Li-Fe 6.6V 850mAh  55g)と組み合わせて足回りを設計した結果がこの動画(もちろん早回しとかは無しですよ)です。

2m/sで移動でき、静止状態から0.3秒で300mmに到達し、強力な遠心力シュートを決めれます。

有名なマクソンRE-16は12V・4.5W、6VのマブチモーターはRC-260・15W、RC-280・24W、RK-370・24Wですので、動画のロボットのパワーに不思議はありません。

マブチモーターは巻き線の種類が豊富にあるので同じ型番でも出力の異なるバリエーションがあります。

因みに動画のモーターは16Wですが、トルクが大きすぎてキックオフ時に前部が持ち上がってボールを見失うので、実際にはフルパワーでは使えません。

ソフト的にパワーの範囲制限をするのは、制御の点で良くないので7~10W程度が最適だと思います。

 

電流が大きい?

電圧(V) × 電流(A) = 電力(W) ですので、同じ電力のモーターであれば公称電圧が低いモーターの方が電流が大きくなるのは道理です。

なので”モーターの電圧を下げるのは電流が大きくなって危険”と言うのは、早計です。

動画のロボットはラインを検知してからの制動ではアウトオブバウンズを避けられない速度・キックオフでフルスロットルにすると前部が持ち上がってしまうなど、オーバースペックな状態ですが、フルスロットル2m/sで走行中1.7A、押し合い状態2.6Aです。

入門用ロボットキットに使用されているAWG22 許容電流7Aで配線してますが、試合中に許容電流をオーバーするシーンはありません。

適正なスペックでは、これ以下になります。

少なくとも”危険”な電流には当たらないでしょう。

モーター焼損の原因

実際にモーターや配線の焼損は発生していますが、原因は必要トルク計算、モーター性能線図による適正ギヤ比選定などの機構設計要素の理解が無い事です。

不適切なギヤ比にてロボットを動作させると以下の様になります。

モーター性能線図

水色の垂直線は適切なギヤ比選定を行った結果、20:1を選定した場合です。
赤色の垂直線は、多くの方がイメージしている”ギヤ比を小さくすれば早くなる”理論で4:1にした場合を想定しています。

確かに4:1にすればギヤ出力軸回転数のスピードは約1.2倍になりますが、電流は約4.5倍になり消費電力は20Wの半田ゴテ2個分以上になります。
4:1の場合は、押し合いなどの負荷が増える状況で直ぐに停動電流になり焼損のリスクが高い状態となります。

またトルクが不足するのでキックオフでのスタートダッシュや制御への追従は20:1より遅い事を付け加えておきます。


私が今までに遭遇した焼損案件は100%この不適切なモーター・キヤ比選定が原因でした。

大事な試合中に故障しない為にも、モーター・ギヤ比の選定が正しい状態にあるかを確認する事をお勧めします。