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レーザー加工機の使い方 その6 (エンジニアリングプラスチック)

衝撃強さが必要な案件があり、アクリル板は不向きなので久しぶりにNCフライスでの加工を行いました。

掲示板(近所の)の騒音苦情の欄に”日曜大工の音”が載って以降、11:00-15:00ルール(自主規制)を守っているので4日に分けてNCフライスを稼働、切り出し後2時間のバリ取り作業となりました。

久しぶりだと、”この刃径でワークの深さに刃長が足りたっけ”とか、CAMツールの部分切削のチェックを入れずに”切削開始深さに数字が入力できない”とかバタバタでした。

”新人が6本エンドミルを折って作業ができなくなった”とか”設定ミスってベースに穴開けた”とかの”つぶやき”を他人事の様に見てましたが、ロボコンが一年サイクルならNCフライスの稼働間隔は半年程度になるので”操作ミスは必然では”と思いました。

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切削くず

塵取りに収まりきらない切削くずと、バリ取りの疲労感の中”ボーっと”していると、ふと”レーザー加工と相性の良いエンジニアプラスチックはないのか?”となり、CO2レーザー加工機製造販売している企業さんのHPを参照しているとPOMが10.6μmの吸収が良くて加工も綺麗との事。

早速POMを入手してテスト!

アクリル板の設定のままで綺麗に加工できました。

245mm×330mm(板厚2mm) 1,199円(はざいや 2021年8月現在)と価格的にはアルミと同じぐらいですが、肉抜きなしで軽量・エンプラの強度・CO2レーザーでの高速加工・バリ取り不要は魅力的です。

ちなみにPOMは難接着材料ですのでアクリル板で紹介した接着を多用した工夫は使えません。

ギャボックスなどの構造物はアクリル板を用いて、相手ロボットと接触するベースなど割れを避けたい部品にPOMを用いると良いと思います。

汎用プラスチックに分類されるアクリルですが、衝撃強さが不足してガラスの様に割れる性質を除けばエンジニアリングプラスチックに匹敵する強度を持っています。

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物性(抜粋)

 

出典:株式会社KDA プラスチック物性表