レーザー加工機ではポケット加工は不可能では?
ポケット加工ができない事がレーザー加工機の欠点に挙げられますが、シャフトの軸受け程度のポケットを作ることは、工夫次第で可能です。
彫刻と切断の間
理屈は簡単で彫刻と切断の間を狙うのですが、どちらかと言うと”深い彫刻”のイメージですね。
ポケット加工を行うには、モデルの作成時に一工夫が必要です。
例題としてオムニホイールを製作します。
モデリング
小径(32mm)トリプルオムニホイールのポケット加工について解説します。
御覧の通りシャフトを固定するポケット加工が必要な構造です。
①ポケット加工部分をレーザー加工機の刃幅で埋まる様にモデリングします。
後工程にてポケット加工と外形カットをレイヤ分けしますので”外形とポケットが接点を持たない”様にモデリングするのがコツです。
②CAMプロセッサを用いてDXFファイルを作製
③2DCAD(LiberCAD)にてポケットデータと切断データをレイヤで分ける
④ポケットレイヤをポケット深さ相当の板厚パラメータ(0.7mm)にて切断加工
⑤切断レイヤを板厚パラメータ(3mm)にて切断
(beamo付属のアプリBeam Studioはレイヤごとのパラメータ設定ができますが、レイヤ制御のできないツールの場合はツール毎に同じ動作ができる様に工夫して下さい)
下図はこの手順にて1.5mmSUS平衡ピン用のポケット加工を行った製作例です。
(ポケット部にバリが残る場合は爪楊枝などで軽く吐き出して下さい。)
TTギヤードモータのハブを兼ねているのでコンパクトです。
これを3段重ねる(トリプルオムニ)と小径ながら上下動が小さくグリップの高いオムニホイールに仕上がります。
使用した材料(シングル)
1.5mm×14mmのSUS平行ピン、ハトメ2×4(穴径1.6・足径2.0・高さ4.0mm)、ゴム足、アクリル板