先ずスペック比較で分かること(ライバルはEtcher Laser Proですね)
●レーザーヘッドの移動速度が一桁速い
●カメラの位置精度が高い
●タッチセンサ付きカラーLCDで多彩な本体操作が可能
●軽い
●小さい
余談ですがレーザー加工機購入について、家庭内稟議がすんなり通った訳ではありませんので、設置作業を相方に手伝って貰うわけにもいきません。
高さ1mのキャスターラックに設置作業を終えて、22kgで良かったと思いました。
Etcher Laser Pro 約45kgの開梱・搬入・設置ができる環境(状況?)かの判断は意外と重要です。
CO2レーザーはガラス管ですので開梱から設置までワレモノを扱う優しさが必要です。
"ゴン"と置いたらガラス管破損で一度も使うことなく修理に出すことになりかねません。慎重の上にも慎重に作業をして下さい。
購入してから気が付いたこと
●消炎機能(エアーアシスト)
ノズルの先端からエアーを出すことにより、素材の過度な延焼を防ぐ機能です。
このエアーアシストの構造が秀逸で、集光レンズの鏡筒内にエアを導入して、出射穴から噴き出す仕組みになっています。
通常ワークカットや彫刻で出た煙はレンズにも触れますが、レンズ鏡筒内が常に外気導入により加圧状態の為に、レンズに煙が触れることがありません。
肝心の消炎機能ですが、アクリルしか切らないので延焼?て感じで興味はありませんでした。
ところが、ある学校の加工室でMDF材をレーザーカットしたところワークが燃えて途中停止、色々パラメータ調整をしてチャレンジするも断念したとの事。
ロボット競技をやっていた繋がりで知り合いでしたので”beamoでカットしてみる?”と提案、MDF材がやってきました。
beam studio デフォールトパラメータの"木材-5mm 切断"を選択してGo!
あっさり成功しました。そのあと追加依頼がきました・・・
●連続定格
スペック一覧には記載はないのですが、連続定格の様です。(後述の色々な状況からの想像です。念のため!)
連続使用時間30分の加工機を使う場合、10分以上自然冷却してから使っています。
レーザー加工機で部品をカットするメリットの一つが部品を敷き詰めれる事です。
この様に部品の抜き穴部分に他の部品をレイアウトできるので材料の無駄がないのですが、機嫌よくレイアウトして切削予測時間が連続使用時間を超えていて泣く泣く部品を減らすなんてことも起きてました。
連続定格ならこの様な調整作業は不要です。
連続定格を守る為にデフォールトのパラメータは最大55%出力に制限されている様です。
これがパラメータ設定画面です。
もちろんスライダを右に動かせば100%の設定は可能です。
60%辺りから黄色になり100%は赤色になっていますので55%より高い設定では連続定格の保証外と理解しています。
実質16.5w機?となりますよね。
3.5w半導体レーザー加工機との比較をする際には出力の差だけでは正しい評価になりません(私が3.5w半導体レーザー加工機からの買い替えなので実際の実力差に関心があるのではと想像しました)。
半導体レーザーは波長約400nmの青紫であることが多いと思います。
得意のアクリル板カットでも黒色のみで透明や白色のカットは全くできません。
これは半導体レーザー光のほとんどが透過・散乱して、吸収されないからです。
黒色アクリル板のカットにしてもアクリル樹脂に吸収があるのではなく、黒色色素に吸収されてジュール損失した結果アクリル樹脂が焼けるのです。
つまりカットの実力は"出力"×"吸収率"となります。
CO2レーザーの波長10640nmは樹脂自体に吸収がありますので吸収率は比較になりません。
この為にCO2レーザーは透明樹脂をカットできるのです。
実際に264mm×209mmの長方形をカットした時の予想時間を比較しました。
beamo 55%出力 3m15s
カット時間では実質16.5w機でも約10倍の性能差を誇ります。
以上、購入しないと分からない事を中心にレビューしました。