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プラスチックギヤモータ

入門用ロボットキットに使用されているプラスチックギヤモータは、トルクの増大する出力側のギヤを厚くするなど基本に忠実な設計でコストパフォーマンスも高いです。

用途は、動くおもちゃ用で、出力軸がロックした時に故障しないようにトルクリミッタが付いています。

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トルクリミッタ

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トルクリミッタ分解

仕組みは簡単で、モータ側のギヤに樹脂バネが作りこんであって、出力軸側のギヤとかみ合う様に組立られています。

樹脂バネを押しつぶす負荷が掛かると空転する仕組みです。

この際に”ガガガガガー”と壊れそうな音がします。

サッカーロボットの様にロボット同士の押し合いがある競技では、この空転が頻発しますので、そのうちトルクリミッタの歯が丸くなって本来の力が出せなくなります。

実は、このプラスチックギヤモータには高トルクタイプが存在します。

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高出力タイプ(左)        ロボットキット(右)

ロボットキットに使用されている物は出力軸にトルクリミッタがあるのですが、高出力タイプは主力軸の一つ前のギヤにトルクリミッタがあります。

また出力軸に向けてギヤの厚みだけでなくモジュールも変えていて、とても頑丈に設計されています。

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Pololu 120:1 Plastic Gearmotor, 90° Output

こちらで入手できます。

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この様にロボットの足回りに愛用しています。

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サッカーロボットの足回りへの応用例

これだけギヤの設計が良ければ”ベアリングタイプが欲しいなあ”と思うのが人情ですね。

そこで”ギヤ”だけ頂いてギヤボックスを自作する事にしました。

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ギヤの当たり確認用試作ギヤボックス

FA130以外のモータを使用できる様にクラウンギヤは平ギヤ(タミヤ 工作ギヤセット (36T/12T)使用)に換装しました。

フランジ付きベアリングは左から63ZZ 、52ZZ 、1170ZZ です。

出力軸は内径7mmのベアリングに良い感じで通ります。

この試作ギヤボックスでバックラッシと静音性を納得の行くところにチューニングして得られたギヤ間隔で足回りを設計します。

こんな感じになります。

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