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ロボカップジュニアのロボット考

このブログのコンセプトのひとつが旨い・安い・早い(試合ができる性能・安価な部品・簡単な工作)なのですが、”アンチ高価な部品”でも”アンチ高度な技術”でもありません。

見るからに高そうなロボットを見て諦めてしまう親御さん(基本的にスポンサーです)や子供さんが居るのも事実ですが、”凄いロボット”に憧れてロボカップジュニアの大会にチャレンジする子供たちがいるのも事実です。

いわゆる枯れた技術(複数社が製品化して価格がこなれたセンサ)の利用にはバグフィックスが進んだ安定したライブラリが入手できたり、web検索で自分の使用マイコンでの使い方がヒットする確率が高く、導入しやすいです。

しかし、リリース直後のセンサはデータシートを熟読してレジスタ設定を正しく行う事から始めなければならないなど、使いこなす為には相当な努力が必要です。

マイコンを電子工作でメジャーな物から最新型に移行するのも同じような努力が必要となります。

また、必ずしも高価な部品を使っているから保護者の理解があって資金が潤沢と言う訳ではありません。

私のジュニア時代は、友人と駄菓子屋に行っても何も買わず、お楽しみ会などの任意参加でお金の必要なイベントは断り、お小遣いを100%部品購入に投入して電動ラジコンカーのシャーシ設計(私のジュニア時代にロボコンは無かったので)に没頭していました(”付き合いが悪い”、”変なやつ”と思われていたと思いますが)。

ですので高価な部品を使っているロボットは、お小遣いも、誕生日プレゼントも全て投じて成り立っていると思っています。

”凄いロボット”は技術習得、金銭的(節約)、時間的投資など、並々ならぬ努力の結晶なのです。

ですので、”ロボットにお金かけすぎだ!” とか ”もっと周りの参加者の事も考えて!”とか非難するのはナンセンスです。

なぜならイコールコンディションで行う競技会や、製作費制限のある競技会は沢山あるので、製作費制限がない競技会が嫌なら、そちらに移れば良い事です。

”製作費の制限無し”はロボカップジュニアのレギュレーションです。

世界大会の話をすると、メーカーをスポンサーに付けるマネージメントをして、部品供給を受けている海外チームは少なくありません。

 

”凄いロボット”は遠慮なく、更なるステージへ進んで下さい。

裾野を広げる努力はロボカップジュニアに関わる大人の仕事ですから。