サッカー、レスキュー、OnStageの各リーグにて使用されるラインセンサは入門用ロボットに必ず付いていると言って良いほど、基本的なセンサです。
”ラインセンサは性能を引き出すのが難しいセンサです”と言うと、意外に思うかも知れません。
光を用いるセンサは、光の性質を理解して適切な取付(対象物との距離・角度)を行う事が重要です。
散乱光と正反射光
皆さんは白色と銀色の区別が付くと思いますが、これは人の目がとても優秀な光センサ(小さな差の判別や数値化は光センサに軍配があがります)なので、紙などの散乱光が優勢なものを白色、鏡など正反射が優勢なものを銀色と判別しています。
ラインセンサには散乱光と正反射光の区別が付きません。
例えばジャパンオープンで使われるレスキューラインのタイルは白色の部分もライン(黒色)も光沢がありますので、ある程度の正反射光が含まれます。
散乱光は白色と黒色の反射光量に大きな差がでますが、正反射光はあまり差が生じません。
投光部と受光部が別々に配置できる場合ですが、左の図の様に配置すると正反射光によって常に大きな値になり、これに埋もれる状態で散乱光の変化を見る事になります。
右の図の様に配置すると散乱光の変化のみを見る事ができます。
投光部と受光部がセットになっているラインセンサの場合、床に垂直に取り付けると正反射光を見てしまいます。
取付に工夫が必要ですが3度程、傾けて取り付けると白黒の値の差が大きくなります。
来期のロボットを設計する前にセンサ位置の最適条件について実験してみては如何でしょうか。
出典:コニカミノルタ株式会社 色と光沢