治具をつくろう!
タップは穴の内側にネジを刻む為の工具で、部品そのものに”ナット”を作れる優れものです。
ロボカップジュニアでも歴史(2008年にはプレゼンに載せているロボットがありました)のある定番技術ですが、板に対して垂直を保ってタップ作業するのは難しいとの声があります。
作業の途中で角度が変わるとネジ山を潰したり、最悪タップを折ったりします。
工作精度を上げたり、工数削減の目的で工具や工作機器の補助を行うものを”治具”と言います。
今回の治具のコンセプトはシンプルかつコンパクトです。
大がかりに作ると、使える場面が制限される事もあるので、板と治具の密着は作業者まかせになりますが、単純な構造にします。
レーザー加工機でのロボットづくりのノウハウを交えてタップ治具を作ります。
NCフライスにできて、レーザー加工機にできない代表格が”皿穴加工”です。
皿穴の目的はネジ頭を板に隠して、出っ張りのない面を作る事です。
レーザー加工機でネジの出っ張りのない面を作るには、"ホーローセット(イモネジ)"
を用います。
板厚は2mm、一番下が作業面に当てる部分でM3タップ加工にてホローセットを取付ます。
二番目の板はM3x6x0.5mmの平ワッシャを4枚格納するφ6mmの穴になっています。
ワッシャの接着はせずに挟むだけにする事で、タップの歯が当たった時に空転して穴が大きくなっていくのを軽減します。
三枚目はワッシャがこぼれない様に挟む役目です。
一番上はM3タップの直径4mmの穴になっています。
スペーサは20mmを使用、タップのガイド部分は80度になっていて、2面壁になっている場所での作業の自由度を上げています。
CO2レーザー加工機の場合は透明アクリル板で作る事をお勧めします。
視認性が向上して位置合わせが楽になりますよ。
この治具を作成する為の5か所のタップ加工は頑張って下さい。
完成すれば、垂直度の高いタップ加工が簡単にできます。