隠居エンジニアのものづくり

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レーザー加工機beamoの近況

レーザー管の消耗

ゴールデンウイークに入って、レスキューラインお手本ロボット2023モデル製作の為に連日レーザー加工機を使用してます。

購入から1年半が経過して、”レーザー管の使用時間は?”と気になったので確認しました。

beamo(CO2レーザー加工機)のレーザー管使用時間表示機能によると”69.32時間”でした。

標準パラメータの範囲(出力50%程度)での使用を前提にしたレーザー管の寿命を5000時間とすると1.4%程度の消耗となります。

10年10%の消耗率と考えると、レーザー管を交換する機会はないでしょう(製品寿命が先に来てしまうでしょうから)。

これまでにサッカーライトウエイト3台、オープン3台、日本リーグ仕様2台、レスキューライン3台 +α 棚や掃除機のローラなど(家族サービス?)かなりの使用頻度でしたが、加工時間が短いので、レーザー管の実稼働時間は短い様です。

 

ランニングコスト

直動ユニットへのグリスアップが必要ですが、X軸両面・Y軸シャフト2本にオイルを数滴使用する程度なので、付属のオイルがまだ残っています。

ですので、現時点までのランニングコストは電気代を除けば”0円”です。

 

ロボット製作費用のコストダウン

送料の関係から1万円分まとめて板材の発注をしていますが、NCフライス使用時に比べて、材料発注間隔が2倍以上になりました。

レーザー加工では材料の固定が不要なので、”はざい”への加工が容易となり、結果的に材料の無駄が殆どありません。

部品レイアウトの隙間には、樹脂スペーサを作っています。

基板取付や、高さ調整に使用するのですが、これにより、ジュラコンスペーサの購入は不要になりました。

"はざい"への部品レイアウト & 樹脂スペーサ


樹脂スペーサは、ハニカムベースに落ちるので、下図の様にテープを貼って落下防止をしてからワークを動かしています。

樹脂スペーサの落下防止



 

Arduino用のデバッグ用LED表示器

ArduinoIDEでのデバッグ

ArduinoIDEの様にブレークポイントの設定などのデバッグモードが無い開発ツールでのロボット作りには、プログラムがどの状態にあるのかを知る手段が必要です。

特定の関数内を実行している間LEDを点灯するなど、LED表示によってデバッグの効率を上げる事ができます。

 

ArduinoのICSP端子を利用したLED表示器

ICSP端子にPixyCamを接続して使う前提でマイコンボードを作ったけど、PixyCamを使わなかったロボットがあります。

ICSPと重複するD11、12、13のコネクタは基板には出ていません。

そこでICSPに差し込んで使えるLED表示器があれば便利なのではと思い、早速製作!

 

ICSP端子接続LED表示器

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回路図

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パターン図

レーザー加工機用データなのでDRCの警告(距離不足)は無視しています。

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使用例ArduinoNano

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使用例ArduinoUNO

NanoとUNOではICSPの向きが異なるので注意して下さい。

D11はanalogWrite()が使えるので比例制御の差分値の絶対値を0~255の範囲で出せば制御の状態が見える化できます。

工夫次第で、色々な制御の状態を見る事ができます。

サッカーチャレンジは試合中のLED点灯は不可ですので、取り外し可能な点も便利だと思います。

自作基板製作(基板カットについて)

はじめに

エッチング用のレーザー加工機でのパターン処理、クエン酸エッチングの導入によって、基板を自作する事が、手軽(簡単・早い・確実)になりました。

唯一面倒だと思うのが基板のカットです。

 

基板のカット

キソパワーツル製ミニサーキュラソウテーブルを長年愛用してきましたが、音が大きいので作業時間(ご近所に迷惑が掛からない時間帯)に制限があります。

粉塵も出るので、片付けが面倒です。

カラスエポキシを切断すると丸鋸がすぐに切れなくなります。

丸鋸の刃のランニングコストが意外と掛かります。

購入から30年程経つので、そろそろ買い替えを考えてました。

そんな時に、自作マイコンボードをエッチング基板で作る事でマイコンの仕組みを理解する事を軸にしている学校にレーザー加工機でのパターン処理を提案しました。

中学生の時に感光基板による自作基板にチャレンジして失敗しているので、感光基板による基板作成の手順についてサンハヤトさんのHPにて再確認を行いました。

基板作成手順の基板カットの所で”ハンドカッター PC-210”の存在を知りました。

スペックを見ると、”切断枚数:10,000カット以上(ガラエポ1.6t)”との事。

個人なら購入後、刃の交換が必要になる事はないでしょう。

丸鋸本体+ランニング(丸鋸刃の交換)コストとの比較になります。

webショップにて31,636円、ランニングコスト”0円”かつ切断時間数秒・抜群の静音性を考慮すると充分安価と判断して購入しました。

 

ハンドカッター PC-210

ガラスエポキシ基板をサクッと裁断できる能力ですので、絶対に刃の下に手を置かない事を肝に銘じて、いざ切断!

想像以上に簡単に切断できました。(今までの苦労は何だったのでしょう!)

切断面は若干ガラス繊維が露出してザラつきますが、120番のサンドペーパーで軽く4往復こする程度で簡単に端面処理できました。(手の触れる場所に基板がないのなら端面処理は不要です)

切断時に”ジャキッ”と言う音はしますが、大変静かです。

紙フェノールはドライヤーなどで温めると割れずに切断できるらしいのですが、試していません。

基板カットが劇的に簡単かつ作業時間を選ばなくなった事で、基板作りが更に気軽にできそうです。

 

収納

うっかり刃を触って怪我をしない為にも、箱に入れて収納する必要があります。

本体収納ギリギリに作られていて無駄な寸法がなかったので梱包箱を捨てずに収納に利用する事にしました。

 

DCモータのノイズ対策(コンデンサの半田付け)

以前、DCモータへのノイズ対策としてFC-130SAにコンデンサが取り付けられた例(ラジコン用)を紹介しました。

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電動ラジコンカー用DCモータ

ロボットの必要トルクを計算して選定したモータが必ずノイズ対策済みとは限りません。

今回は、ノイズ対策されていないDCモータにコンデンサを取り付ける手順を紹介します。

 

基本的に端子はデリケート

曲げ伸ばしを繰り返すと根本から折れて使用不能になります。

これは配線が終わって使用する段階でも同じで、端子にストレスが加わらない工夫が必要です。

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端子の取り扱い注意

モータのケースは体積が大きく、熱伝導が良いので20W半田こてを用いての半田付けは困難です。

時間をかければできるのですが、これはケース全体が半田の溶ける温度に近い状態になっている事を意味します。

モータのケースに取り付けられた永久磁石は熱と相性が良くありません。

モータの性能低下を避ける為にも、100W程度の少し大きい半田こてを用いて短時間に半田付けを済ませる必要があります。

また端子は樹脂で固定されているので素早く半田付けしましょう!

コンデンサの適正値は0.01μFです。(手持ちがなかったので写真は0.1μFが付いてます)

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半田付けの注意点

ロボットの組立やメンテナンス時にうっかり配線を引っ張って端子を折ってしまう事を避ける為に、端子にストレスの加わらない配線処理をお勧めします。

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配線の処理

 

レーザー加工機でM2のスペーサーを作る(ポリアセタール・beamoパラメータ設定)

熱が”こもる”部品

レーザー加工機での切断はレーザー波長に吸収のある材料が蒸発する程の温度になる事が条件です。

この条件においてアクリル板はレーザー加工機との相性が良いので綺麗に仕上がります。

以前、beamoにてポリアセタールが切断できる事を記事にしましたが、アクリルと比較するとCO2レーザー波長の吸収が少し悪いので加工パス周辺の温度上昇が大きくなります。

短い時間かつ距離が近い加工パスが集中する場合に切断面の周囲温度が上昇して材料が溶ける場合があります。

この典型例がM2のスペーサーです。

M2スペーサー

外形5mm、内径2mmのモデルを切断する際、直径5mmの外側に熱の逃げる道が有りません。

この小さなエリアの更に内側に直径2mmの加工パスが走ります。

こう考えると溶けてしまって上手く加工できないのは理解できます。

この加工パスでも樹脂が溶ける温度に至らない様に、制御できれば上手く加工できる訳です。

 

加工パラメータ設定のチューニング&手順の工夫

温度上昇を抑えるにはレーザーヘッドの移動速度を上げる必要があります。

材料の温度が一旦上がると、その温度に更に温度上昇分が積み重なるので、充分な時間を置いて材料が元の温度に戻るのを待つ必要があります。

例題として、厚み3mmのポリアセタール板にM2スペーサーを作ります。

先ずパラメータを設定します。

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beamoパラメータ設定

このパラメータで切断を行います。

次にキッチンタイマー(皆さんはスマホですよね)を10分設定にして材料が冷えるのを待ちます。

時間が来たら同じパラメータで切断を行います。

これを3~4回繰り返すと綺麗に作れます。

何回目で加工終了とするかは、下図の様に所々抜け落ちている状態が確認できればOKです。

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加工終了の目安

余談ですが、このサイズになると、出来上がった部品が下に落ちるので予めトレーをどけてハンディ掃除機などで掃除をしてから加工作業を行うことをお勧めします。

M2スペーサーを大量に作ると、真ん中の芯を取り除くのが意外と面倒なので、密閉容器に入れて全力でシャカシャカするのがマイブームです。

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大量のスペーサーの芯を除く方法

若干バリが残っている物(写真はかなり拡大しているので気になりますが直径が5mmですので0.1mm程度のバリです)もありますが、M2スペーサーとしては充分実用に耐えます。

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ポリアセタールM2スペーサー完成品

 

ラインセンサの自作

色々な物の生産が滞る事態が発生しています。

一過性の事態だとは思いますが、個人でオーダーできる基板製造屋さんの納期が1か月を超える勢いの様です。

 

この様な時に片面基板のパターンを設計するセンスと片面基板を製作するノウハウが役に立ちます。

基板製作ノウハウはこちらの過去記事を御参照下さい。

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その1(ベクターデータ作成・試作確認) - 隠居エンジニアのものづくり

レーザー加工機でプリント基板を自作する方法 その2(エッチング編) - 隠居エンジニアのものづくり

実は結構片面基板で用が足ります。

以下はサッカーロボット用に作ったマイコンボードの例です。

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Arduino nano 搭載基板(全I/O出力、16chコマンドSW、コンパレータ割込み電圧調整)

私のサッカーロボットは、このマイコンボードと配電(バッテリーマネージメント)基板の2枚だけです(もちろん配電基板も片面自作基板です)。

 

ラインセンサを自作しよう!

TJ3Bなどに標準搭載されているラインセンサは、IRLEDとIRフォトトランジスタの組み合わせでラインを捉える仕組みになっているのでサッカーの様に緑色カーペットと白色線の様な色違いを見分けるのが苦手です。

ラインセンサー | ロボット,センサー | 株式会社ダイセン電子工業 (daisen-netstore.com)

 

これを解決する方法として赤色LEDと可視光フォトトランジスタを組み合わせたセンサを提案しました(仕組みの詳細は過去記事を御参照下さい)。

ラインセンサについて (その2 サッカーリーグ編) - 隠居エンジニアのものづくり

この赤色LEDと可視光フォトトランジスタを組み合わせて標品化されたのがホワイトラインセンサーです。

ホワイトラインセンサー | ロボット,センサー | 株式会社ダイセン電子工業 (daisen-netstore.com)

ホワイトラインセンサーを用いてライントレースを行うと緑色マーカーが黒線に見えます。

このラインの幅が変わって見える事を利用して緑色マーカーを検知するアイデアを編み出したチームが有りました。

今回ゴールの検出に赤色の線を読み取る必要があります。

すでに被災者救出の際に銀色を反射率で見ているので、更に赤色を反射率で見分けるのは困難です(RGBなどの具体的色指定がルールにないので、大会当日にセンサ測定の結果、銀色と赤色の反射率が同じに見える事態が想定されます)。

なんだかの工夫で複数色を見分ける手段が必要となります。

例えば、センサから見て緑色マーカーと黒線を同じに見せるには”赤色LED+可視光フォトトランジスタ、緑マーカと白い床を同じに見せるには”緑色LED+可視光フォトトランジスタの組み合わせにすれば良い事になります。

どの様に色検出するのか?の設計思想が重要になってきました。

私のレスキューライン2022モデルでは白色LEDにする必要があるので、白色LEDにてラインセンサを製作します。(設計思想や戦術に関する説明は致しません。アイデアを出すのは皆さんです!)

 

ホワイトラインセンサを購入して赤色LEDを希望する他の色に交換するのも一手なのですが、今まで指導した学生さん達の実績を踏まえると赤色LEDを取り除くまでは良いのですが、スルーホールに詰まった半田を除去する際にランドを剥がしたり等々で改造後のラインセンサの信頼性が不安な状態に仕上がります。

もしかして、スルーホールの部品をパターンを傷づけることなく交換するより、最初から作った方が簡単では?

と思ったので、作り方を記事にして公開する事にしました。

(ホワイトラインセンサのLED交換改造を行う際は、必ず超高輝度緑色LEDの様に、

なるべく輝度の高いLEDを選定して下さい。一般品では床(白色)を見た時にシグナルが全く出ないトラブルに見舞われますので御注意を!)

 

ラインセンサの製作

パターン設計の良否は部品配置で9割決まると思って下さい。

このラインセンサのパターンを上手く引く為の部品配置の決め手は3本足のトランジスタです。

センサからコネクタへの信号の流れが直線的になる為にはどうすれば良いか?を考えます。

先ず、”フォトトランジスタ側にベース”が軸になります。

後は出力のエミッタ、電源と接続するコレクタの位置とコネクタの配線がクロスしない置き方を考えます。

LEDは電源から電流制限抵抗を挟んでGNDに繋がるだけなので外側に配置します。

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この配置を基にEagleを用いてパターンを引くとこんな感じになります。

基板の外形をカットするのは、結構大変ですので紙フェノール片面基板を使用していますが、強度不足にならない様にポリゴンを用いて、できるだけ銅箔を残します。

自然にグランドプレーンが大きくなるのでお勧めです。

エッチングする際にランド-ランド間の配線の細い所が気になるのでランド同士を重ねるのがマイブームです。

エラー警告がでますが、基板屋に出さずに自分で実装するので問題ありません。

このパターン図は見やすいようにデフォールト設定にしましたが、レーザ加工でエッチングする際は同じ所を繰り返し加工しない為に、次の様に設定します。

 

レーザー加工時のセッティング

先ずTools > DRC に入ってクリアランス全て”1mil”に設定をします。

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基板とパターンの距離を”0mil”に設定します。

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最後に属性変更にてポリゴンの絶縁距離を”0”に設定します。

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この状態でポリゴン設定した線を選択します。

これで、先ほどのパターン図はこの様になります。

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この状態でベクターデータを作成すると以下の様になります。

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レーザー加工機(beamo)では以下の設定にて15秒でパターンが焼けます。

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エッチング処理した基板はこんな感じです。
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実装するとこんな感じです。

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実装面はこの様になります。

LEDの光が直接フォトトランジスタに入光しない様に壁を作る必要があります。

この壁をスポンジ(天然ゴム系)で作成しましたが、レーザー光の波長に吸収の無い材料は綺麗に切れないので材料探しには苦労します。

ホームセンターでよく見かける”光”さんのNRスポンジは綺麗に切れて、光も漏れないので愛用しています。

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遮光スポンジは以下の寸法です。
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レーザー加工機(beamo)では以下の設定にて5秒で製作完了です。

(NRスポンジと低反発スポンジは同じパラメータを使用しています)

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スポンジをラインセンサに接着する際は、接着材がLEDやフォトトランジスタに付着しない様に気を付けましょう!

この様な光学系を組む際には、硬化の過程で回りに白化を起こす瞬間接着剤は避けたほうが無難です。

ラインセンサにQIコネクタを接続する際は極性に気を付けて下さい。

 

余談ですが、スポンジの加工はレーザー加工機の得意技です。
NCフライスではスポンジが変形するのでバイス固定はできません。

両面テープ張の一択ですが、超低速&超低切削量にしてもエンドミルが押しながら移動するので変形して寸法精度がでません。
切削時間が長くなるので途中でエンドミルがワークを巻き込むトラブルに見舞われずに最後まで加工ができる歩留まりは悪いです。

そして両面テープを剥がす際にちぎれてしまいます。

 

部品表

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白色LEDの所は作りたい色の可視光LEDに置き換えて下さい。

今回のセンサ部品を秋月発注した場合はこちら(個数に注意、遮光スポンジ・QIコネクタ関連・エッチング関連は含まず)

I-02325 照度センサ(フォトトランジスタ) 560nm NJL7502L (2個入)    
I-06410    3mm白色LED OSW54K3131A(10個入)

R-11790 超精密級 金属皮膜チップ抵抗器 1608 1/10W1kΩ±0.1% (5個入)

R-11789    超精密級 金属皮膜チップ抵抗器 1608 1/10W100Ω±0.1% (5個入)

R-11789    超精密級 金属皮膜チップ抵抗器 1608 1/10W100Ω±0.1% (5個入)

P-13374    チップ積層セラミックコンデンサー 0.1μF50V F 1608 (40個入)
P-09285    チップ積層セラミックコンデンサー 1000pF50V CH 1608 (100個入)
I-00761    チップトランジスタ 低雑音 2SC2712-GR 50V150mA (40個入)

P-14906 半固定ボリューム GF063P 20kΩ

C-01627    ピンヘッダ (オスL型) 1×40 (40P)

P-14147    片面銅張基板[CEM-3] 150×100×1.6mm (2枚入)

 

 

出典:株式会社ダイセン電子工業 TJ3B組立説明書 [PDF]

ロボカップジュニア レスキューライン・メイズロボットの大きさ

ロボットの最適な大きさは?

大きさは、機械設計の際に序盤で決める必要がある要件の一つです。

大きい・小さいなどの相対する要件には必ずトレードオフの関係があります。

考え方としては、両極端をイメージして間のメリットの多い所や、致命的なデメリットを避けられる所を探す作業を行います。

ここでもルールを理解する事が重要です。

 

小さい事のメリット・デメリット

色々なライントレース・迷路競技があります。

歴史のある競技会には収束した勝利の方程式(主流)があります。

私も一度参加した事がある”ロボトレース競技”では規定寸法より、かなり小さなロボットが主流です。

小さなロボットから見れば、急カーブも緩やかなカーブに見えるから制御が容易になるとか、小型化で軽くなる事で横Gの影響が小さくなるとかがメリットでしょうか?

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この様にラインの直角コーナーも小さなロボットならちょっとしたカーブにランクダウンします。

でも、ラインは10mmバンプを乗り越える必要があります。

バンプを乗り越えるにはロボットは大きい方が有利です。

 

大きい事のメリット・デメリット

では何処まで大きなロボットが作れるか?

ルールにタイルのデザインが示されています。

以下のタイルは2Fを支える柱と組み合わさると難易度が上がります。

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これらのタイルと柱が合わさると大きなロボットは詰まってしまう危険性があります。

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200mm×200mmのロボットでも後輪を擦りながら何とかすり抜ける感じです。

私のロボット160mm×190mmでは以下の様になりました。

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タイルでアリーナを作っていないので黄色テープで300mmの囲いを示して、柱の代わりに単三電池を立てました。

左後輪が柱(単三電池)に接近する事が分かります。

大きく作ればロボットから見たバンプは小さく見えて楽に乗り越えられますが、進行停止の危険性と隣り合わせです。

 

メイズは最大3面を300mm間隔の壁に囲まれるのでサイズに関してはラインよりシビアです。

20mmの段差を乗り越える必要があるので、サイズを大きくせずに悪路走行性を向上させる工夫が必要になります。

適正サイズはこの記事をヒントに皆さんで答えを出してください。

 

出典:2022_RescueLine_Rules_draft01.pdf